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日本初女性一級建築士の話
事務員Hです。
2023年3月に、「テレビ朝日系列」で
『キッチン革命』という2夜連続ドラマを観ました。
1夜目は計量スプーン・レシピ(料理カード)等を開発し
女子栄養大学を設立した、女性医師の話。
実在の人物は 香川綾さん
女子栄養大学の創設者であり、日本の現代栄養学の礎を築いた「栄養学の母」ともいえる女性。
2夜目は日本初女性一級建築士の話でした。
実在の人物は浜口ミホ(美穂)さん。
東京女子高等師範学校(後のお茶の水女子大学)卒業後、東京帝国大学の聴講生として建築を学び、
前川事務所に勤務、3年後に建築評論家の浜口氏と結婚し、その後建築事務所を開業し、
戦後の住宅の台所の変革に功績した。
また建築士法で初の女性建築士にもなりました。
そして、今現在当たり前に使われている
・ダイニングキッチン
・ステンレスの流し台。
これらを設計し導入したのが彼女だという事。
戦後(1955年)日本住宅公団(※)へ、
ステンレスの流し台・DKを開発導入アドバイスする工程がドラマ化されていました。
※ (現在は独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)と名称を変え、
公団住宅は「UR賃貸住宅」などと呼ばれています。)
1戸辺り、13坪。
13坪というと、約43平方メートルで、畳でいうと、約26畳です。
畳26畳と聞けば広いように感じますが、
ココに玄関、キッチン、居室、居間、トイレ、洗面、収納等を配置するとなると狭さを感じるでしょう。
むかしキッチンは、家の北側にあり孤立していました。
暖房や断熱がしっかりしていない時代です。
冬場は寒さに耐え、梅雨時は湿度に耐えなければならず大変だったことでしょう。
それを、ダイニングと一緒にすることで、
冬暖かく、家族と団らんしながらの作業することができるようになります。
キッチンのシステム配置については、従来の配置VS新配置の比較実験を女子栄養大学で行ないます。
(ここで1夜目との関連があります!)
10人の主婦を被験者として、実際に献立をつくって「調理時間」と「歩数」を測定するもの。
結果は「調理時間」はそれほど変わらないものの、
「歩数」では27・5歩対2歩という圧倒的な差で「新配置」に軍配が上がりました。
従来型配置 | 新型配置 |
ちなみに当時は食材を洗う作業が多かったため、このような結果となりましたが、
加工食品を多用する現代ではその限りではないため、
このスタイルのキッチンは今はほとんど見られないとの事です。
じめじめして掃除が大変だった“ジントギ(人造石を成型して研ぎ出した素材)”の流し台から
汚れが落ちやすくて錆びないステンレスに変更する場面では、
当時ステンレスをプレス成型できる会社がありませんでした。
サンウエーブ(当時)が、“日本初のステンレス深絞り流し台”を製造します。(詳細は LIXIL SQUAREにて)
現在ではキッチンシンク・天板に
ステンレス・人造大理石・クウォーツ・ホーロー等の素材が使用されています。
これらの素材については過去ブログ
『天然大理石、人造大理石、人工大理石の違いと特徴+最近よく聞くようになった商品 』
でアップしています。
公団のLDK写真
~~~余談~~~
初めてステンレスキッチンを製造したサンウェーブですが、
トステム(1923年創業)、INAX(1924年設立)、新日軽(1899年創業)、
サンウエーブ工業(1936年創業)、東洋エクステリア(1974年設立)
の5社が統合し 2011年に LIXIL となりました。
参考サイト
UR都市機構 集合住宅歴史館 https://www.ur-net.go.jp/rd/index.html
ミツカン 水の文化センター https://www.mizu.gr.jp/index.html
TOP → 水の文化センターの活動 → 機関誌『水の文化』 → 31号「脱 水(みず)まわり」
LIXIL SQUARE https://www.lixil.co.jp/square/
HOME → LIXIL SQUARE → 全記事 記事一覧 → 日本初ステンレス深絞り流し台/ものづくりの歴史2018.9.4
https://www.lixil.co.jp/square/history/stainless_steel_sink/
親子のすまいかた教室 https://www.sumai-info.jp/oyako/index.html
台所の起源とかたち 日本の台所の近代化 → ステンレス流し台の進化
三菱電機 https://www.mitsubishielectric.co.jp/
トップページ 個人のお客様 三菱電機 CME(CLUB MITSUBISHI ELECTRIC) 知る・学ぶ
https://www.mitsubishielectric.co.jp/club-me/knowledge/
調べてみたら、とっても楽しかったです。
ちなみに、弊社でも女性一級建築士が活躍しております。
普段はお客様のご自宅で打合せをしておりますが、偶に事務所での打ち合わせがあります。
その際、お客様が悩んでいらっしゃった時などに的確なアドバイスをし、
お客様がご納得されている傍で、私も一緒に「なるほど~!そんな方法があるのかぁ~!」と
心の中で感想を言っていたりします。