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Staff Blog
窓の歴史

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今回は窓のお話

私たちがよく知っているガラスをつかった窓が本格的に庶民にも広がり始めたのは関東大震災後の復興からだそうです。1923年 大正12年のことです。それまでの日本では、ガラスは高級品だったため一部の建物にしか使用されず、一般的には障子を窓として使用していました。日本の住居は夏を重きを置いて風通しや影をつくる工夫がされてきたため、障子紙で光を室内に取り入れつつ、外部と仕切るという役目をはたせばよかったのでしょう。

それからおよそ100年がたちました。見渡す限りガラス窓はどの家にも100%設置されています。光を室内にとりいれ、雨風をふせぎ、外部と遮断しつつも透明ガラスであれば外部の景色も楽しめます。では、現在の新築住宅ではどのような窓が設置されているのでしょうか。参考までに、およそ30年以上昔の建物で主流だった窓がどの程度の性能だったのか、も調べてみます。

今回は窓の形ではなく、性能で比較します。

① シングルガラス アルミ障子  : 1960年ころからアルミサッシが登場です。 それまでは、木製障子や鉄製障子にガラスがはめられていました。アルミサッシの登場で、窓の隙間がずいぶん減ったのではないでしょうか。当時のガラスはとても薄くて割れやすいものでした。このころは断熱という概念もあまりなくて、雨風を防いでくれて、光をとりいれてくれる便利な窓だったのでしょう。

年代を経るうちに、工業化の波が住宅にも影響を及ぼしてアルミ障子やガラスの厚みが増していき、強度のあるものに変化していきます。

② ペアガラス アルミ障子 : 1997年ころからペアガラスが登場し始めます。ペアガラスは一枚の障子にガラスが空気層をはさんで2重になったものをさします。ガラスを2重にすることで障子の裏と表の熱を通しにくくするため、室内の温度環境を改善してくれます。ただし、初期のころは、密閉度が低く、気密という言葉もない時代、障子と障子のすきまは若干のこっていました。密閉という言葉からはかけ離れています。それでもずいぶんと性能はあがったといえます。ガラス部は改善されていきましたが、熱を通しやすいアルミ部分についてはまだまだ改善の必要がのこっていました。

真夏にペアガラス部分に手をあてると あんなに熱かったシングルガラスの思い出があるのに、なんとまあ、熱くない!なんて経験はありませんか?ちょっとした感動ものでしたよね。

③ 機能付きペアガラス 樹脂・アルミのハイブリッド障子 : 1997年京都議定書の締結により建物の断熱化基準は義務付けられました。

それによってようやく日本にもペアガラス、二重窓など 窓からの冷気や高温を防ごうという動きがでてきたのですが 先に述べたように断熱性の低いアルミサッシが圧倒的に普及しており、樹脂サッシや機能シート付のペアガラスが普及してきたのは福島第一原発発電所事故以降の電力不足を背景に それまで北海道などの寒冷地にしか採用されていなかった「樹脂サッシ(高断熱)+ペアガラス」が市場に出てきたことを述べたいと思います。合わせて気密性の高い窓になっており、従来のシングルガラスの窓が設置されているご家庭では十分に交換の検討をする価値があります。

近年はそれらの普及を後押しする国からの補助金制度もあり、ほんの数年で初期投資が回収できるようになりました。

窓は建物にとって必要なファクターです。その窓が住まいの室内環境に過大な影響をおよぼしていることを学んでいただいて ぜひ、リフォームの際には交換を検討材料に含むべきだと思います。室内温度環境は目に見えません。でもご家族の健康を守る、電気やガスの消費を抑えて最終的には二酸化炭素発生をおさえて私たちの地球温暖化にセーブをかけることにもつながります。いいことだらけです。補助金制度もぜひ利用してください。

2025年もやってまいりました。皆様のご多幸を願うとともに健康な一年をお過ごしになりますように。

 

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