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鍵の歴史 その2
事務員Hです。
前回から引き続き、鍵の歴史 世界編を調べてきました。
古代エジプトで広められたエジプト錠ですが、こちらも1世紀ほどは進展なしでしたが、
エジプトからギリシャ、そしてローマ帝国へと徐々に伝わり、箪笥や引き出しを守る小さな錠へと改造されていきました。
やがて、ローマ人の中でも裕福な者は、鍵を指輪のように身につけるようになりました。
これは、保護を必要とするモノを所有するほど己が金持ちだと見せびらかすためでした。
鍵の変化は中世に入り、英国の職人が初めて金属製のウォード(突起)がついた錠を作るようになってからで、
これらの錠前の鍵穴は奥が円筒形となっています。
鍵穴の中には、ウォードと呼ばれるいくつもの同心円状のプレートがあり、
鍵についている切り込みがウォードのパターンと合わない場合、鍵を回すことが出来ません。
もし何の抵抗もなく鍵を回せたなら、回転時に施錠できた、あるいは解錠できたということです。
しかし、ウォードと切り込みのパターン次第では、1つの鍵で他の錠前も開けられてしまうのです。
もし、基本的な鍵の形を知っていれば、ウォードを避けるために鍵の切り込みを削って合鍵を作れるということです。
産業革命の時代(1760年~1840年)にはより洗練された錠前が作られるようになり、
ダブルアクション式のレバータンブラー錠のという特許を取得した錠前も出てきます。
このころの鍵穴が、現在イラストなどでよく見る〇に台形?三角?をくっつけた形になります。
ミステリーや謎解きにもこの形の鍵穴が描かれている事が多いですよね?
1784年、ジョゼフ・ブラマ氏が安全性の高い錠前の特許を取得します。
1790年に彼は安全性に対して自信があったので、賞金を賭けて「チャレンジ・ロック」と称し、
自分の店のショーウィンドウに展示しました。
1851年の大英博覧会アメリカ人錠前師アルフレッド・C・ホッブスが51時間かけて解錠成功するまで60年破られなかった錠前です。
ここまではイギリスの独壇場でしたが、この前後辺りからアメリカが突出してきます。
1843年、エジプト錠を改良し、エール錠ともピンタンブラー錠とも呼ばれる錠前が開発されました。
それから1世紀半の間、錠前師たちはエール錠の改良版や新たなデザインを開発し続けます。
次回は現在・未来編です。